この「コリント人に関するまとめ」は、ドラマ放映開始後にTwitterスペースで開かれた「サンドマン座談会」の中で各主要キャラクターについてスピーカーが担当分をプレゼンしていくという企画の後に、私が話した話プラスαを改めてまとめなおしたものです。担当のコリント人について原作をひっくり返してみると色々と興味深いことに気づいたりして、どういう話をしようか考えるのも楽しかったです。機会をくださった遷子さん、ありがとうございました。(サンドマンに関する座談会はこの時で3回目だったのですが、その前の2回は「ドラマ化の続報全然来ないですね…」っていう状態だったので、ドラマ放映後の座談会というのもまた感慨深かったです。)
これは原作・ドラマに「こういう描写がありました」という話と「ここから私はこう考えます」という私の考えとが混ざっているので、後者の方は私の妄想も入っていると考えてください。また、原作のコリント人とドラマのコリント人とは結構違いますし、その点から考えてもなにが正解ということもないので、ご自身の解釈を大切にしていただければと思います。
以下、Twitterにも載せた各スライドとその補足です。
今回どういった点からコリント人の紹介をしようかと考えた時、思い出したのがやはり実写化での改変部分についてでした。モルフェウスと対峙するラスト近くの場面をどうしてああしたのかと考えてみるに、原作Vol.2だと「ただヒャッハーしたくて目覚めの世界に出てきたキャラ」のような印象だった部分を、もう少し深めるべきという判断があったのかもしれないなと思えてきました。それであれば、何かそれに通じるようなものを原作の(特に後半から)読み取れたりしないかなと思ったのです。ですので、このまとめは基本的にそういう視点から話が進んでいます。
この座談会の時点では私はOvertureを読んでいなかったので、あきやまさんから伺って「別の側面もある」ということを知ったのですが、ここに関しては色々謎です。Overtureについては後述しますが、ニルゲ先生が後で設定を変えたのでなければ、「新生コリント人の記憶はあくまでもドリームが選択的にいれており、ヤバすぎる記憶は外している」という解釈もあるのかなと思いました。でも正直、ニルゲ先生が後で設定を変えた確率の方が高い気もします。
ドリームがコリント人のコンセプトについて語るVol.9のセリフ、ドリームが自分の作る夢や悪夢について明確なテーマや意図を語っている場面なので、とても興味深いです。ドリームは彫刻家のように具体的なコンセプトを決めたうえでそれらを作るので、最高傑作が出来たりイマイチなもので終わったりと色々出てくるのだと思います。そしてまた、この時点でドリームが「自分が作り出したそれらのものは、やがて自分の意思をもって動き始める」ということをどこまでわかっていたのか、少し気になりました。
これもVol.9の場面。「コリント人」という悪夢は、その性質として、カラスが腐肉をあさり目玉を食べるのと同じくらい自然に、目玉を求めてしまうものだというのがわかります。生まれたばかりの新生君が言っているくらいなのでもとからそうなのだと思いますが、もしそうだとすると「ドリームはそういう性質を付加して一体何がしたかったのか…」という気になります。人間の暗い鏡、なので人間とそっくり同じではなくてよく見ると違うような箇所をつけたかったのかなという気もしますが、それをやると結果としてその欠けた部分を求めるようになるのなら、やはり気の毒な気がします。

でも「目覚めの世界に行きたい!」と言う悪夢を修学旅行的に目覚めの世界へ連れて行って、しかも自分の弟にも紹介してしまうドリーム、やはり最高傑作に対しては多少甘い部分があったのかなと思います。

これ、このページでは補足を書いているからまだいいのですが、このスライドだけだとなんで「ここまでの話を基に」この考えに至るのか凄くわかりづらかったと思います、すみません。ドラマ版でどうしてこういう解釈になったのかを原作で語られたところから読み解こうとしたとき、一つには「ドリームは人間に興味がないけれど、創造物から見るとそのこと自体に問題があるのでは」ということ、もう一つは「ドリームは彫刻を作るようにコンセプトに基づいて夢や悪夢を作るけど、作った後に彼らが何を考えどう過ごすのかまでは考えが及んでいない」(→作り出したものの維持管理に問題がある)ように見える、ということが考えられるのかなと思ったのです。あくまでも私の個人的な考えですが、そうだとしてもドラマ版でのあの人望の無さを見るに、そういう解釈もあり得るのかなと思いました。
原作だとコリント人は当初は姿を見せず少しずつ登場してくるのでホラー味があるキャラなのですが、ドラマだと第一話からめっちゃ顔出ししてくるので、恐怖の対象というよりはあくまでも主人公に対峙してくるキャラクターという印象があるなと思いました。なお目玉喰いシーンはオーディオ版で聴くと「喰っている」感が強くてヒエ…となりました。
最後はやっぱり「Vol.9お勧め!」という話になってくるのですが、Vol.9は絵も可愛い(?)し話も面白いので本当にお勧めです。新生コリント人には色々なスキルが付加されていますが、個人的に一番大きいのは「子育てスキル」だと思っています。意図的に付加されたのかどうかはわかりませんが、初代は原作だとジェドをトランクに押し込めるくらいのキャラなので…(その点ドラマ版は子供の扱い方も心得ているのであまりギャップはないかもしれません)。どう見ても子供とは相性が悪そうな悪夢が赤子を高い高いして「ほらコンニチワって言って!」とかやっている時点で結構びっくりなのですが、彼に課された責務について考えてみると、やはり子育てスキルもドリームに意図的に付与されたものなのではと思ったりしました。
そして前述のOvertureについて。冒頭から植物になったモルフェウスが出てきて宇宙猫みたいな顔で読むことになる本ですが(すみません、まだ私も読んでいる途中です)、ドラマS1 ep1に出てきたコリント人のやや意味不明なセリフ「世界中が俺のようになるまで~」というのはほぼこのOvertureからのセリフです。ジャケットを着た服装、ナイフをホルスターに入れるスタイル、ドリームとの会話等々、ドラマ版のコリント人の要素はかなりこのOvertureから取っている模様なので、もしまだ読んでいない方は是非チェックしてみてください。(なお購入にあたってはamazonのシリーズ表記トラップにご注意ください、同じ本のエディション違いが別の巻として出ている場合があります。それを言うとサンドマン全体がシリーズ表記怪しいので調べたうえでの購入をお勧めします。)
Overtureのコリント人が出ている場面はこんな話です。
上記の画像を掲載しているツイートはこちら(リプ欄に続き)
先日のサンドマン座談会で私が話をした、コリント人に関する説明(原作とドラマの違い、キャラ設定、その後の原作での登場シーン)のまとめです。全部で7枚、リプ欄に続きます。
— earls / アールズ (@earlscourtst) September 18, 2022
※原作Vol.2(実写ドラマ化)、Vol.7、Vol.9の話が出てきます。 pic.twitter.com/3Y9uoX97hk
原作は、読まなければいけないということはありませんが、読むと推しをより深く知ることができて理解も深まるので、もしできそうな方にはせっかくなのでお勧めしたいです。推しが出ている巻だけでもいいと思います。私自身、もとより通して読むつもりはなくて、ルシファーモーニングスターさんの出ている巻だけ読もうというくらいなつもりだったのですが、ルシファーが出ているからという理由で読んだVol.9が話として面白くて、かつそれ以前の巻を読まないと色々わからない部分が多かったので、他の巻も読み始めたという経緯で今に至っています。きっかけは何であれ、面白い本に出合えてよかったと思っています。






